ノーベル医学生理学賞の受賞が決まった本庶佑（ほんじょたすく）さん（７６）は２日午前９時、妻の滋子（しげこ）さん（７５）と京都大（京都市左京区）に赴いた。京大のシンボルの時計台の前で報道陣や職員ら約５０人に囲まれ、２０年以上にわたって研究室の秘書を務めている真多かをりさん（５８）から花束を受け取ると、晴れやかな笑顔を見せた。

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真多さんによると、「おめでとうございます。健康に留意してください」と花束を渡すと、本庶さんは「ありがとう。これからもよろしく」と応えたという。夫婦並んで、ゆっくりと記者会見場に向かった。

受賞決定の電話を取り次いだのは真多さんだった。

英語の電話だったので、「来たかと思い、どきどきしました。いつか、いつか、と思っていたのでほっとしました」。本庶さんはいつも感謝の言葉をかけてくれるという。

時計台前で本庶さんの到着を見守っていた京大工学部の１回生、久藤颯人さん（２０）は、本庶さんと同じ山口県の宇部高校出身という。「自分の大先輩。高校の時から、すごい先生がいると担任から聞いていたので身近に感じる。誇らしくて、うれしい」と喜んだ。（徳永猛城、中山直樹）