松山市のご当地アイドルグループで活動していた大本萌景（ほのか）さん（当時１６）が自殺したのは、過重な労働環境やパワハラなどが原因だったとして、遺族がグループの運営会社などに計９２００万円余りの損害賠償を求めた訴訟の第１回口頭弁論が１８日、東京地裁であった。運営会社側は、請求の棄却を求めた。

１６歳アイドル自殺、遺族が提訴 会社側はパワハラ否定

賃金未払い・マッサージ強要 アイドル訴訟、増加の構図

裁判は昨年１０月、松山地裁で提訴されたが、東京地裁に移された。訴状などによると、「愛（え）の葉（は）Ｇｉｒｌｓ」のメンバーとして活動していた大本さんは昨年３月、自宅で自殺した。母親の幸栄さんは１８日の法廷で意見陳述し、「萌景と同じような夢を持っている子どもたちに、同じような悲しい、苦しい思いをしてもらいたくない。真実を明らかにしたい」と訴えた。

一方、運営会社側は答弁書で、全面的に争う姿勢を示した。代理人の渥美陽子弁護士らは閉廷後に記者会見し、「過重労働をさせた事実やパワハラ行為はなかった」と主張。原告側が「自殺の原因だ」としていることに反論した。（小松隆次郎）