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会社売却、一度は決めたが未練が ある小さな社長の決断

作者:佚名 文章来源:本站原创 点击数 更新时间:2019/5/30 15:10:47 文章录入:贯通日本语 责任编辑:贯通日本语

2018年夏。東日本のある建設会社の社長の男性(70)は、一本の電話をかけた。


「戸惑っているんだよね」


相手は、あおぞら銀行系のM&A助言・支援会社、ABNアドバイザーズ(東京)の担当者。男性はこんな不安を投げかけた。


「他の会社も、こんなに早く進むものなの?」


男性には後継者がいなかった。子供は都会に出てしまっていた。第三者に引き継ぐにも、銀行借り入れの個人保証や株の買い取りといったハードルがある。「M&Aが現実的だろう」。そう考え、18年春にABNと契約した。


ABNが買い手候補探しを始めると、複数の企業が強い関心を示し、どんどん交渉が進んだ。「2~3年はかかるだろう」と思っていた男性は、「心の準備ができていない」と焦った。


後継者がいないため、自社を他の企業に買ってもらうM&A(企業合併・買収)で、会社を残そうとする中小企業経営者が増えています。とはいえ、長年経営を手がけた会社です。売却の決心をしても、いざ手放す段になると気持ちがついていかないケースは少なくありません。


従業員十数人の小さな会社は、半世紀を超える歴史を持ち、地元では存在感がある。男性は20年以上社長を務め、個人客からの修繕の依頼に即応するサービスなど、自らのアイデアで黒字を出してきた。ある程度利益を積み増してから、会社を譲りたい気持ちもあった。


「いったん、中断しよう」


まだ元気で、75歳まで現役を続けられそうだ、と思い直した。


ABNの担当者にそう伝えると、思いがけない言葉が返ってきた。


「今ある『縁』をふいにして、…





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