東京都町田市のサービス付き高齢者向け住宅の一室で昨年９月、この部屋の住人女性（当時６９）が殺害された事件で、警視庁は１３日、当時隣室に住んでいた夫の関健次容疑者（７１）＝さいたま市中央区大戸２丁目＝を殺人の疑いで逮捕し、発表した。関容疑者は「やっていません」と容疑を否認した後、黙秘しているという。

捜査１課などによると、関容疑者は昨年９月２０日午後９時～２１日午前６時ごろ、「ココファンまちだ鶴川」１階の居室で、住人の妻初枝さんの頭を鈍器のようなもので殴るなどし、頭部損傷により殺害した疑いがある。

事件は２１日午前６時ごろ、関容疑者が自ら施設を通じ１１９番通報して発覚。初枝さんはパジャマを着てベッドの上で倒れており、抵抗した際にできる目立った傷はなかった。

前日午後９時ごろに関容疑者が初枝さんの居室を出て以降、ほかにドアからの出入りはなかったことが防犯カメラの映像で確認された。一方、中庭に面した窓は鍵が開いており、タンスなどに物色された跡があったという。

関容疑者は、窓を解錠して隣の自室にいったん戻った後、就寝した頃を見計らい、防犯カメラのない窓側から行き来して初枝さんを殺害。第一発見者を装い、金品狙いの第三者による事件に見せかけようとした可能性があるという。警視庁は、防犯カメラの位置をあらかじめ把握したうえでの計画的犯行とみて、動機や経緯を詳しく調べる。