厚生労働省は2025年4月28日、AIを活用した医療診断システムが全国の主要病院で本格導入されたと発表した。このシステムは、画像診断や患者データの分析を通じて、がんや心疾患の早期発見を支援するもの。すでに東京大学医学部附属病院や大阪大学医学部附属病院で試験運用が行われ、診断精度が従来の手法を上回る結果が報告されている。

AI診断システムの特徴は、CTやMRI画像から異常を高精度で検出する能力にある。例えば、肺がんの早期発見率は従来の約70％から85％に向上した。また、医師の負担軽減にも貢献しており、診断に要する時間が平均で30％短縮されたという。患者側からも「迅速な診断で治療開始が早まった」との声が寄せられている。

しかし、導入には課題もある。システムの運用には高額な初期投資が必要で、地方の中小病院では導入が進んでいない。また、AIの診断結果に対する信頼性の問題や、個人情報の保護に関する懸念も浮上している。厚生労働省は「2027年までに全国の病院の80％での導入を目指す」との方針を示し、補助金制度や研修プログラムを拡充する予定だ。

専門家は「AI医療は日本の高齢化社会に対応する鍵となるが、倫理的な議論や法整備も同時に進める必要がある」と指摘する。今後、AI医療の普及が日本の医療システム全体にどのような変革をもたらすか、注目が集まっている。