2025年4月28日、文化庁は日本の伝統工芸を若者向けに再ブランディングするプロジェクト「NEO-KOGEI」の成果を発表した。このプロジェクトは、伝統工芸の技術を現代のデザインやファッションに取り入れることで、若年層への訴求力を高めることを目指している。
例えば、京都の西陣織を使ったスニーカーや、会津塗のスマートフォンケースが若者を中心に人気を集めている。また、SNSを活用したマーケティングも功を奏し、InstagramやTikTokで伝統工芸職人が制作過程を公開する動画が数百万回再生を記録。プロジェクト開始から1年で、対象工芸品の売上は平均で20%増加した。
背景には、グローバル化の中で「日本らしさ」を求める若者の増加がある。20代の消費者からは「伝統工芸は高級で敷居が高いイメージだったが、カジュアルな商品なら手に取りやすい」との声が聞かれる。一方で、職人の高齢化や後継者不足は依然として課題だ。文化庁は、若手職人の育成プログラムや、伝統工芸を学ぶワークショップを全国で展開する計画だ。
海外での評価も高まっており、パリやニューヨークでの展示会では、日本の工芸品が「サステナブルでユニーク」と称賛された。文化庁の担当者は「伝統工芸は日本の文化遺産。現代に合った形で継承することで、次代に引き継ぎたい」と語る。今後、伝統工芸が若者文化とどう融合していくか、注目が集まっている。
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