富士通と理化学研究所は2025年4月28日、埼玉県和光市で256量子ビットの量子コンピューターを公開し、6月から企業向けに商用提供を開始すると発表した。この量子コンピューターは、2023年に稼働した64量子ビット初号機の4倍の規模で、化学シミュレーションや金融最適化に特化している（@Sankei_news, 2025-04-22）。中性原子方式を採用し、従来の超伝導方式に比べエネルギー効率が向上。実験では、新薬開発の分子設計時間が従来の1/8に短縮された。

商用化の背景には、量子技術の国際競争の激化がある。米国や中国が超伝導方式で先行する中、日本は独自技術で差別化を図る。富士通は「2027年までに1000量子ビットの実現を目指す」と表明し、製薬や自動車業界から既に30社以上が利用契約を締結。経済産業省は、量子産業の市場規模が2030年に1兆円を超えると予測する。

しかし、課題も多い。量子コンピューターの誤り訂正技術は未成熟で、専門家の育成も急務だ。Xでは「量子コンピューターの未来に期待！」「でも一般人にはいつ恩恵が？」と賛否の声が上がる。一方、セキュリティ面では、量子コンピューターが暗号解読に悪用されるリスクも議論されており、ポスト量子暗号の開発が求められている。
富士通は、クラウド経由での量子コンピューティングサービスも展開予定。日本のIT産業が量子時代をリードできるか、注目が集まる。