元女子バレーボール選手で、現在はパーソナルトレーナーとして活躍する滝沢ななえさん（37）が、2025年4月29日公開の『CHANTO WEB』のインタビューで、自身の性的指向に気づくまでの葛藤を語った。「美しすぎるバレーボール選手」としてVリーグで活躍した滝沢さんは、22歳の時にドラマ『ラスト・フレンズ』をきっかけに「私は女性が好きなんだ」と自覚。2017年にテレビでレズビアンであることをカミングアウトし、注目を集めた。彼女のストーリーは、自己肯定と勇気を求める人々に響き、Xで「#滝沢ななえ」が話題に。

滝沢さんは東京都三鷹市出身。小学2年生からバレーボールを始め、八王子実践高校で春高バレーに出場し、主将を務めた。2006年にVリーグのパイオニアレッドウィングスに入団、後に上尾メディックスに移籍し、2013年に引退。現役時代、「恋愛は男性と女性がするもの」との固定観念から、「自分は恋ができないタイプ」と感じていたという。「小学生の頃、好きな男の子を聞かれてもピンとこなかった。バレーの先輩に憧れを抱いたけど、それが恋愛感情だとは思わなかった」と振り返る。男性との交際に恋愛感情が湧かず、「感情が生まれにくいタイプ」と自己分析していた。

転機は22歳の時。2008年放送のドラマ『ラスト・フレンズ』で、上野樹里演じる性同一性障害の女性を通じて、性自認や性的指向の多様性を知った。「女性が女性を好きでもいいんだと、初めて実感した。モヤモヤが晴れた瞬間だった」と滝沢さん。この気づきから、SNSの同性愛者コミュニティに参加。飲み会が苦手だった彼女は、オンラインで当事者と交流し、「自分を偽らなくていい居心地の良さ」を感じた。そこで「私は女性が好きなんだ」と確信。初めて女性と交際した際、「これが恋愛なんだ」と安心感を覚えたという。

2017年、日本テレビの『衝撃のアノ人に会ってみた！』でレズビアンであることを公表。「嘘をつくのに疲れた。自分らしく生きたかった」と決意の理由を語る。カミングアウトは家族との疎遠を覚悟したものだったが、「同じ境遇の人の励みになれば」との思いが強かった。現在は同性のパートナー「ハニさん」と愛犬2匹と暮らし、「中性的な容姿が自分らしい」と語る。2025年4月、滝沢さんのストーリーが中学3年生の道徳教科書に掲載され、インスタで「こんな日が来るなんて」と喜びを共有。

インタビューでは、親の理解の重要性も強調。「同性愛は『治る』ものじゃない。親に認められると心が救われる」と、2025年2月のSNS投稿で訴えた。彼女の言葉は、Xで「勇気をもらった」「親子の対話のきっかけに」と反響を呼ぶ。一方で、「カミングアウトは強制じゃない。自分を認められたら、それが第一歩」と柔軟な姿勢も示す。パーソナルトレーナーとして、女性限定ジムで「美尻」をテーマに指導し、YouTube『滝沢ななえのフィットネスチャンネル』で健康情報を発信。2025年6月にはLGBTQ+イベント『True Colors Festival』への出演も予定。