2010年から2018年までコロンビアの大統領を務めたサントス氏は、在任中、半世紀以上にわたった内戦の終結に向けて尽力したとして、2016年にノーベル平和賞を受賞しました。
退任後は、各国の元首脳などでつくる団体に加わり、ロシアによる侵攻が続くウクライナを訪れるなど、紛争の防止や解決などに取り組んでいて、去年からは団体のトップを務めています。
サントス氏はシンポジウムなどのために日本を訪れていて、15日、都内でNHKのインタビューに応じました。
このなかで、ことしで戦後80年となる世界の現状について「ガザ地区やウクライナだけでなく世界ではほかにも多くの紛争が起きている。核保有国は兵器を増強している。決して楽観できる状況ではない」と強い懸念を示しました。
そのうえで「平和を築くためには、相手や敵対国の立場に立ち、彼らの考え方や行動について理解することが必要だ。自分の意見を相手に押しつけるのではなく、合意点を見いだせるよう相手の話に耳を傾ける対話が必要だ」と指摘しました。
そして、みずからの経験に触れたうえで「どんな紛争でも解決は可能だ。必要なのは共感、思いやり、忍耐、そして粘り強さだ。解決に必要な条件を理解し、それを作り出す必要がある」と述べました。
打印本文