デンマーク議会は22日、労働者が定年退職し年金を受給できる年齢を、1971年以降に生まれた人について70歳に引き上げる法案を可決しました。
デンマークでは現在、67歳が定年となっていますが平均寿命は82歳近くまで延びていて、政府はこうした状況に対応するためだとして、定年を段階的に引き上げる方針を打ち出しています。
これに対し、去年行われた世論調査では、「定年まで働き続けられるかどうか不安だ」と回答した人が全体の7割以上を占めました。
また国内最大の労働組合も「われわれは働き終えたあとも尊厳ある生活を送る権利がある」と訴え、若い年齢で就職した人たちや、医療、教育、建設といった身体的な負担が大きい職種については定年を早めるよう求めています。
高齢化が進むヨーロッパでは年金制度を維持するため、定年を60代後半に引き上げる国が相次いでいますが、地元メディアなどは、70歳での定年はヨーロッパで最も遅いと伝えています。
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