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岩手 大船渡 山林火災3か月 漁業の遅れ取り戻そうと準備進む

作者:未知 文章来源:NHK 点击数 更新时间:2025/5/27 12:00:52 文章录入:贯通日本语 责任编辑:贯通日本语

岩手県大船渡市で大規模な山林火災が発生してから26日で3か月です。地域の主要産業である漁業は、火災の影響で例年ならすでに始まっている定置網漁などが始められておらず、遅れを取り戻そうと漁業者が準備を進めています。

令和7年2月26日に大船渡市で発生した山林火災は、4月7日に「鎮火」が宣言されるまで40日かかり、平成以降で最大規模となるおよそ3370ヘクタールが焼失しました。

全壊した住宅54棟を含む226棟の建物が被害を受けたほか、農林水産業や商工観光業など産業全体の被害額は少なくとも26億円余りに上っています。

住宅が全壊などの被害を受けた人たちは、仮の住まいに入居するなどして生活の再建を進めていて、市内2か所に整備された仮設住宅には26世帯、公営住宅には18世帯、民間の賃貸住宅を活用する「みなし仮設」には12世帯が入居しました。

一方、なりわいの再生をめぐって、地域の主要産業である漁業では、火災で網や漁具が焼けるなどの被害を受けた影響で例年ならすでに始まっている定置網漁やウニ漁を今も始められていません。

地元の漁協では、ほかの漁協や水産会社から網を借りたり漁具を一括で購入して漁業者に提供したりするなど準備を進めていて、作業が順調に進めば5月末から6月上旬にかけて始めたいとしています。

宮城県の漁場の網を借り、漁の開始に向けて作業

岩手県大船渡市の港では、網が焼ける被害を受けた漁業者たちが、宮城県の漁場で使われていた網を借りて今シーズンの漁の開始に向けて作業を進めています。

山林火災で三陸町綾里の綾里漁協では、定置網漁の網4セットなどを保管していた倉庫が全焼するなどの被害を受けました。

定置網漁は毎年5月に始まりますが、漁協によりますと、新たな網を発注しても完成まで時間がかかるため、今シーズンの漁には間に合わないということです。

これを知った岩手県や宮城県などで定置網漁を行う水産会社が、この時期は使っていない宮城県女川町の漁場の網を無償で貸してくれることになり、24日、港に届きました。

火災の発生から3か月となる26日、およそ30人の漁業者が朝から港に集まり、トラックの荷台から網を下ろして丁寧に広げたあと、網が切れて穴が空いた部分を道具を使って補修していました。

漁業者の海山洋平さん
「操業のめどが立ってうれしい。元気に操業する姿を見せることで、地域の人たちも安心できるのではないか」

定置網漁のリーダーを務める千田芳孝さん
「思っていた以上に立派な網だ。これまで暗い話題ばかりだったので、早く網を海に入れて漁を行い、明るい話題を発信したい」

漁業者たちは、6月上旬の漁の開始を目指して網の補修などの作業を進めることにしています。

網を貸した水産会社との深い縁とは

この水産会社は大船渡市の隣の釜石市に本社があり、宮城県でも定置網漁などを行っています。

社長の泉澤宏さんによりますと、およそ30年前に宮城県に事業を拡大する際、中古の網を譲ってくれたのが綾里漁協だったということで、泉澤さんはこのときの恩を強く感じてきたといいます。

また、14年前の東日本大震災では、この会社も綾里漁協も津波の被害を受けました。

震災で被害を受けたうえ、今回の火災で再び被災した漁協を支援したいという思いから、無償での網の貸し出しを決めたということです。

5月21日に漁協の組合長などが感謝の気持ちを伝えるため、宮城県女川町の事務所を訪れた際、泉澤さんは「この網で魚をたくさん水揚げしてほしい」とエールをおくっていました。

泉澤さんは「震災から14年がたった今、これだけの損害を被るというのは、同じように震災で被害を受けた身として非常に心苦しい。若い頃に背中を押してくれた綾里漁協の力に少しでもなりたいと思った。早く水揚げが始まって地域に活気が生まれてほしい」と話していました。

綾里漁協で定置網漁のリーダーを務める千田芳孝さんは「今シーズンの漁は正直、難しいと思っていたが、善意のある人がいて大変ありがたい。その善意に応えるためにも、いい漁をしていい報告をしたい」と話していました。

被害の森林「補助受けられる4年間ですべてを復旧は困難」

岩手県大船渡市は、岩手県や森林組合の関係者などでつくる「林地再生対策協議会」を設置し、大規模な山林火災で被害を受けた森林の復旧について話し合っています。

被害を受けた森林は、ことし2月26日に発生した火災とその1週間前の2月19日に発生した火災とをあわせて、少なくともおよそ3400ヘクタールにのぼっています。

このうち、復旧事業の対象となる人工林は半分にあたるおよそ1700ヘクタールで、市は激甚災害の指定を受け、国や県からの補助を受けながら復旧事業を進めることにしています。

しかし、補助を受けられるのは4年間で、市によりますとこの期間にできるのは木の伐採や搬出が125ヘクタール、跡地の造林が135ヘクタールと見込まれ、すべてを復旧するのは困難だとしています。

市は今後、被害調査を継続するとともに復旧の計画を策定することにしていますが、大船渡市農林水産部の山岸健悦郎部長は「膨大な面積を4年間で復旧するのは難しい。国に対しては、事業期間の延長やさらなる財政支援を要望したい」と話していました。




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