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水道管破損で大規模浸水 漏水や老朽化を早く発見するために

作者:未知 文章来源:NHK 点击数 更新时间:2025/5/29 13:58:27 文章录入:贯通日本语 责任编辑:贯通日本语

関西では4月から5月にかけて、水道管が破損し大規模な浸水が発生する被害が相次ぎました。これを受けて自治体では水道管に異常がないかを調べる緊急の調査を行っていますが、調査には人手も時間もかかります。市民の生活に大きな影響が出る前に水道管の漏水を早めに発見するための新しい取り組みも行われています。

(取材:大阪放送局 安土直輝記者 鞆田優希穂記者 先崎壮ディレクター 加藤向陽アナウンサー)

京都と大阪で 相次ぎ水道管の破損と浸水

 

4月30日、京都市下京区の交差点で、破損した水道管から大量の水があふれて道路が冠水し、自動車が浸水したり水道が濁ったりするなどの影響が出ました。

京都市の上下水道局によると、水道管は1959年に設置されてから65年ほどたっていて、市が交換の目安とする「60年」を超えていたことから、ことし11月ごろに撤去する予定だったということです。

5月10日には、大阪 城東区の住宅街で、水道管が破損し大量の水があふれて、周辺の道路など広い範囲が冠水しました。

水道管は設置からおよそ60年で、大阪市が交換の目安としている「65年以上」に達していませんでしたが、水道局は水道管の老朽化が漏水の原因とみています。

各自治体で緊急調査

 

京都市の被害を受け、全国各地の自治体は、京都市で破損したものと同じタイプの老朽化した水道管について、漏水などの異常がないかを調べる緊急の調査を実施。

大阪 堺市の上下水道局の緊急調査を取材しました。

職員が、地下に水道管が走る国道沿いを歩いて、路面に水漏れが起きていないか見て回ります。

堺市でも一部で、京都市で破損したものと同じタイプの老朽化した水道管が設置されています。

水道管につながる消火栓や止水栓のふたを1つずつ開けて、漏水していないかチェックします。

緊急調査では、延べ8.5キロ分の水道管を目視して調べます。

堺市では通常の水道管の調査は市内およそ500キロ分を2年がかりで行っていて、年間で50件ほど新たな漏水が見つかっているということです。

堺市 上下水道局水道部 奥川正之参事
「老朽化が進む水道管は漏水がいつ起こるかわかりません。事故後すみやかに対応できる体制を整えつつ、より効率的に調査が行える新たな方法にも取り組むことにしています」

目視での調査は人手も時間もかかりますが、老朽化が進む中、“やるしかない”のが実態です。

NHK「全国 水道危機マップ」でみる 水道管の老朽化

水道管の老朽化は、全国で課題になっています。

NHKでは、日本水道協会が2021年度に上水道に関するデータをまとめた「水道統計」を活用し、全国およそ1400の水道事業者のデータを独自に可視化し、ウェブサイトで公開しています。

このうち、水道管の「老朽化」のマップでは、法定耐用年数の40年を超えた水道管の割合を赤色の濃淡で示しています。

赤色が濃いほど割合が高いことを示していて、最も濃い赤は40%以上となっています。

大阪市では、全国平均の22%に対し、最も濃い40%以上です。

ただ、40年はひとつの目安であり、必ずしも水道管が使えなくなるわけではありません。材質や設置された環境などによって、劣化の進行は異なっています。

漏水の可能性調査 人工衛星とAIで効率化

 

水道管の破損を未然に防ぐには、どうすればいいのか。

大阪 摂津市では「人工衛星」と「AI」を組み合わせた対策を行っています。

人工衛星から地面に特殊な電波を照射し、地中で漏れた水道水特有の反射波のデータから、水道管の漏水が疑われる地点をAIが解析するシステムです。

地図をアップにすると、“漏水の可能性がある”場所を半径100メートルの範囲で特定することができます。黒い線は地中に埋まっている水道管です。

今回の解析では、住宅街などに引き込まれる細い水道管で漏水が疑われるケースが多かったということです。

市では、過去の修繕履歴なども踏まえ、優先度が高いと考えるエリアを分けた地図を作成し、重点的に現地調査を進めることにしています。

摂津市 上下水道部 水道施設課 名古屋幸祐課長
「示された範囲の中に水道管の漏水がある可能性はだいたい4割から5割くらいで、調査の効率性がかなり上がるので、漏水の発見率の向上に期待しています」

最も有益な情報源は“人の目”

堺市でも摂津市と同じようなシステムの導入が決まっているそうです。

一方、水道管の破損にいち早く気づき、被害を最小限に抑えるために、最も有益な情報源は、“人の目”=「住民からの通報」だそうです。

水道管破損の“予兆”とは。

「調べたら破損していた」という、摂津市の実例が、下の写真の青い○の部分です。

雨が降ったあとなどにこうした光景は当たり前に見かけますが、“晴れが続いているのにぬれている”といった場合があります。

摂津市の担当者は、こうした“予兆”を見かけたら、通報してほしいと話していました。

身近にある道路の様子を日頃から気にとめておくことも、水道管の破損や浸水を防ぐひとつの方法といえそうです。

(「ほっと関西」5月15日放送)




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