半導体受託製造事業の中国Semiconductor Manufacturing International社(SMIC、中芯国際集成電路製造)は2004年10月28日、2004年第3四半期(2004年7月~9月)の業績を発表した。それによると、2004年第3四半期中のウエハー(8インチ)出荷枚数は4工場合計で26万3808枚、稼働率は99%となった。同社は現在でも工場の生産能力を増強中であるが、その生産能力をフルに使い続けている状態で、2004年第1四半期から3四半期連続で稼働率99%を維持している。
同社が発表した2004年第3四半期の業績は、売上額が2億7489万7000ドルで、2004年第2四半期の2億2098万8000ドルと比べて24.4%増、2003年第3四半期の1億714万1000ドルと比べて156.6%増となった。営業利益は4253万8000ドルで、2004年第2四半期の3639万ドルと比べて同16.9%増となった。2003年第3四半期は1112万9000ドルの損失だった。業績が好調な理由として、同社 社長兼CEOのRichard Chang(張 汝京)氏は「アジア地域とくに中国大陸からの注文が堅調である」と述べている。売上額の比率を地域別に見ると、北米は2004年第2四半期の44.0%から2004年第3四半期は41.8%に低下、欧州が同じく13.3%から11.1%に低下しているのに対し、日本を除くアジア太平洋地域は26.5%から31.5%にも上昇している。アジア太平洋地域のうち中国大陸の売上額は6.6%を占めた。ちなみに日本は15.6%。
引き続き顧客からの半導体製造委託要求は強いが「用途別に見ると、特に通信機器向け半導体の委託が強い」(Chang氏)という。売上額に占める通信機器向け半導体の割合は、2003年第3四半期の48.2%、2004年第2四半期の54.3%から2004年第3四半期には57.2%に達している。委託元の業種別では、工場を持たない半導体設計会社からが35.3%、半導体メーカーからが56.3%、システム機器メーカなどからが8.4%。
北京の12インチ対応工場Fab4完成予想図。出典:SMIC
同社の量産中の工場は、上海に3工場(Fab1、Fab2、Fab3)、天津に1工場(Fab7)あるがすべて8インチ対応。4工場合わせた生産枚数は、2003年第3四半期から四半期ごとに、13万780枚(稼働率93%)、15万3125枚(同97%)、17万4325枚(同99%)、20万1534枚(同99%)、26万3808枚(同99%)と推移している。2004年9月末時点での各工場の生産能力は、Fab1が3万8820枚/月、Fab2が3万4824枚/月、銅配線対応のFab3が1万5077枚/月、Fab7が1万322枚/月。今後引き続き4工場の生産能力を増強するとともに、2004年第4四半期からは北京の12インチ対応工場Fab4が量産体制に入る予定だ。 |