米Intel社は12月14日、今後の同社のCPU製品計画について説明した。現在90nm技術で製造しているデスクトップ型パソコン向けCPUのHT Pentium 4(Pentium 4 supporting Hyper Threading Technology)については、2005年以降さらに微細の65nm技術で製造する製品が登場する。同社副社長兼デスクトップ・プラットフォーム事業部長のStephen Smith氏が明らかにした。
従来からIntel社は、デスクトップ型パソコン用CPUロードマップを明らかにしている。それによるとHT Pentium 4の次世代製品としては、1チップにCPUコアを2個搭載した製品「Smithfield(スミスフィールド:開発コード名)」を2005年から量産出荷する。この製品名を仮にPentium DC(Dual-Core)とする。
Pentium DCは、HT Pentium 4で築いた、複数のスレッドを1CPUコアで同時実行するHT Technologyを引き継ぎ、2つのCPUコアを使った複数スレッドの同時実行機構を備える。Pentium DCは、まず既存製品の量産に使っている90nm技術を使い2005年から量産出荷を始め、次には65nm技術を使った製品が2006年にも登場する予定。つまり、Pentium DCはPentium 4の後継製品という位置付けだ。
今回の発表では、デスクトップ型パソコン用CPUとして65nm版HT Pentium 4も登場することが明らかになった。このため、しばらくは65nm版HT Pentium 4と90nm版Pentium DCの新製品が同時期に登場する可能性が高くなった。
現時点でIntel社は65nm版HT Pentium 4の具体的な量産出荷時期を発表していないが、現在開発中の65nm製造技術は2005年に量産段階に移行することを明らかにしている。実際Intel社は、ノートパソコン用CPUとして、1チップにCPUコアを2個搭載した製品「Yonah(ヨナ:開発コード名)」を2005年末に65nm技術を使って量産出荷する計画を明らかにしている。65nm版Pentium DCが登場する2006年以前に65nm版HT Pentium 4が登場する可能性は高い。
HT Pentium 4もPentium DCも複数のスレッドを同時実行するが「Pentium DCで複数のスレッドを処理する機構は現時点では明らかにできない」(Smith氏)としており、HT Pentium 4からPentium DCに置き換えたときに性能が飛躍的に向上するかどうかは現時点では明確ではない。一方、65nm版HT Pentium 4は、90nm版と比べて動作クロック周波数の向上と消費電力の低減が確実に見込まれるため、既存の90nm版HT Pentium 4の後継製品として65nm版HT Pentiumという選択肢もある。ちなみに「HT Pentium 4とPentium DCを挿入するマザーボード上のソケットは“LGA775”対応で同じであり、チップセットも共通で使える」(Smith氏)。 |