明日(2005年3月25日)は,ついに愛知万博の開幕の日です。私はプレスプレビューでロボット,輸送・移動システム,エネルギ技術を主に取材しましたが,それとは別に目立っていたのが,映像システムや映像コンテンツでした。そこで,せっかくですからあくまでも個人的な見解ということで,お薦めの映像システムや映像コンテンツをご紹介したいと思います。
私が最もお薦めしたいのは「グローバル・ハウス」にNHKが出展している「スーパーハイビジョン」です。走査線の数が4000本と通常のハイビジョンの約4倍もあり,600インチ型の大画面で見る映像は本当に細部までくっきりと見えます。ヒマワリの映像では,中央から隅まですべてのヒマワリがはっきりと映っていました。22.2チャンネルの音響システムによる迫力も加わり,多くの観客が「きれいだねー」と感嘆の声をもらしていました。
「超電導リニア館」(JR東海)の3Dシアターもお薦めです。ここでは超電導リニアモータカーのスピードを3次元映像で体感できます。山梨の実験線における超電導リニアモータカーの試験走行の様子をドキュメント映像として約800インチ型のスクリーンに映し出します。世界最高の581km/hを達成したリニアモータカーの3次元映像ですから,それはもう大迫力です。もっとも,上映時間は約12分で,ほとんどがリニアモータカーが走っているシーンですから,後半は多少飽きてしまいますが…。でも,一見の価値はあると思います。
趣向を凝らしているという点でお薦めなのが「三井・東芝館」の「グランオデッセイ」という映像コンテンツです。これは観客がキャストとして参加できるという世界初の映像コンテンツです。最初に,プレショーエリアというスペースに導かれ,そこで観客はそれぞれ,顔を3次元スキャナで撮影します。
そのスキャナは箱のようなもので覆われているのですが,正面に顔を入れるための窓が開いています。そこに,顔の輪郭がしっかりと読み取れるように,おでこに髪の毛が掛からないように手で持ち上げながら顔を突っ込むのです(この作業は注意が必要です。なぜなら,ここで失敗するとキャストとして参加できなくなってしまうからです)。最大20人が5人ずつ4回に分けて撮影するのですが,その様子は結構笑えます。
そして,こうした準備が終わると,メインショーのエリアへと移動となります。一緒に顔を撮影した約20人が,自分たちが出演する映像を見るのです。そして後半…何かが起こります(これ以上書くと楽しみがなくなりますのでやめておきます)。ちなみに私の場合は,残念ながら自分がどのキャストとして登場したのか分かりませんでした。皆さんは,是非ご自分を見つけ出してください。
もちろん,これまでも何度も記事で紹介していますように,ロボットや近未来の乗り物もお薦めです。これらについては,「日経ものづくり」の2005年4月号で取り上げていますので,そちらをご覧下さい。幻想的という形容がまさにぴったりの「トヨタグループ館」のロボットショーや,一見しただけでは本当は人間じゃないのかと思ってしまうような案内ロボットまで,まさに一見の価値があるものがたくさんあります。 |