陸上のアジア選手権第2日は2日、韓国の文鶴競技場などで14種目の決勝などを行い、男子100メートルは末続慎吾(ミズノ)が10秒42で2位に終わり、同種目で日本選手初の優勝は成らなかった。朝原宣治(大阪ガス)は10秒57で4位。優勝はヤハヤ・ゲス(サウジアラビア)で10秒39だった。
男子110メートル障害はアテネ五輪金メダルの劉翔(中国)が13秒30の大会新記録で圧勝し、内藤真人(ミズノ)は13秒90で4位。同ハンマー投げの土井宏昭(ファイテン)は68メートル50で3位だった。
女子では100メートル障害の池田久美子(スズキ)が13秒54で3位、円盤投げの室伏由佳(ミズノ)は56メートル23で4位。棒高跳びは高淑英(中国)が4メートル53の大会新で優勝した。(仁川共同)
◇9秒台の走法探り、予選から決勝までさまざまに試行
男子100メートルで優勝を逃した末続は「悔しいですよ」と顔をしかめた。だが北京五輪へ向けて9秒台の走法を探っている段階。10秒42の2位の中に収穫を探した。
今季は左ひざ裏の痛みで練習量が不足している。準決勝は10秒44の2着通過で「今の出来を思うと決勝は3番かなと思っていた」。スタートが10分以上遅れ、いら立って自滅する選手もいたが、末続は冷静さを保った。ただ抜群の飛び出しが持ち味のゲスには置いていかれ、後半まで3、4番手だった。
予選から決勝までの3本でそれぞれにスタート後の重心の位置やエネルギーの配分を試した。筋力強化に重点を置いてきた今季は終盤に失速するレースが目立ったが「きょうはスピードを保っていられた」。ゴール前で2位に浮上し、あと数メートルあれば逆転という位置までゲスに迫った。
200メートルを得意とするだけに「ダッシュが強い選手にどう立ち向かうか」が百メートルでのテーマ。終盤に追い込んだこの日の走りはひとつのヒントかもしれない。「その要因を考えたい。失敗ととられるかもしれないけど、いろいろためしている」と話した。(共同)
〇…世界選手権には女子走り幅跳びで出場した池田が100メートル障害で3位。「トラックが軟らかく、跳ねる感じになって体をおさえられなかった。もう少し順位を上げたかった」とこの種目では自身初の国際大会メダルだが、心からの笑みはなかった。
4日には走り幅跳びの決勝が行われる。世界選手権は強風で思うように力を発揮できず、予選落ちしただけに「どんな条件でもベストに近い記録を出さないと世界で通用しない。学んだことを意識してやりたい」と優勝を視野に意欲をのぞかせた。(共同)
〇…最後の6投目。女子円盤投げで56メートル84の日本記録を持つ室伏は今季自己最高となる56メートル23をマーク。「タイミングがうまく合った。きょうは1投ごとに失敗を分析しながらうまく対応できた」。メダルに届かず、4位だったが、満足の笑みを浮かべた。
今季は腰痛で苦しんできたが、最近は状態が上向き。3日のハンマー投げに向けて「体調もいいし、あしたも気合で投げる」と威勢良く話した。(共同)
毎日新聞 2005年9月2日 19時02分 (最終更新時間 9月2日 21時02分)