米カリフォルニア大サンタバーバラ校の中村修二教授を中心とする日米の研究グループが、従来よりも発光効率のよい青色発光ダイオード(青色LED)の開発に成功した。LEDは液晶画面のバックライトなどに使われており、消費電力を10分の1程度に減らせるとみている。
中村教授は93年、窒化ガリウム半導体を用い、明るい青色LEDの実用化に世界で初めて成功した。今回、窒化ガリウムの結晶の製造工程を改良し、従来とは異なった形の結晶を成長させた。
新型結晶は発光に適した形のため、発光効率を最大で10倍程度に高められることが分かった。また、従来の結晶は電流が増加するにつれて発する光の波長が徐々に短くなる欠点があったが、新型結晶は光の波長が安定していた。さらに、アルミニウムなど微量の金属を加えると、赤から黄、紫までのさまざまな色を出すことができるという。
研究チームは新型結晶を用い、DVDのデータ書き込みや読み取りなどに利用される青色レーザーの開発も進めている。中村教授は「レーザーは1、2年で実用化できるだろう」と話している。【西川拓】