野村証券は23日、ネット専業の証券会社を来年にも設立する方針を固めた。ネット専業証券は個人投資家を中心に市場が急成長しており、野村も顧客層の拡大とサービス充実のために参入は避けられないと判断した。野村の参入で、ネット専業証券会社の手数料引き下げ競争の激化が予想される。
野村のネット専業証券は、野村証券とは別会社とし、持ち株会社の野村ホールディングスの傘下に置く。野村証券は既にネット経由で株式売買などが行える「野村ホームトレード」を提供しているが、新設するネット専業証券では手数料などで差別化を図り、これまで取り込めなかった顧客層の拡大を図る。
ネット専業証券は手数料を定額制にして個人投資家を引きつけた。大手のイー・トレード証券の05年3月期の委託売買代金は約34兆円に達し、証券業界トップの野村の約37兆円に肉薄している。大手でも大和証券が既にネット取引の手数料を引き下げるなど、市場獲得に力を入れている。【後藤逸郎】