【仁川(韓国)堤浩一郎】野球の第6回アジアAAA選手権大会は最終日の6日、当地の文鶴球場で決勝と3位決定戦が行われた。決勝は全日本高校選抜の小島(愛工大名電)が延長十回にサヨナラソロ。前回大会の覇者・韓国を破って、98年の第3回大会(日本)以来3大会ぶり3度目の優勝を果たした。最優秀選手には小島が選ばれた。
▽日本・迫田穆成監督 感動した。気持ちのいい子どもたちばかりなので、何とか勝たせてやりたかった。実現できて、本当にほっとした。
◇逆転劇呼び込んだ辻内の熱投
奇跡的な逆転劇で金メダルを手にした日本。その流れを呼び込んだのは、エース辻内の熱投だった。打のヒーローとなった小島が語る。「球速を見ても、すごい力投だった。何とか点を取ってやろうと思っていた」
自慢の速球を惜しげもなく投げ続けた。174球のうち30球が150キロ台を計測。八回には球場のスコアボード表示で自己最速となる155キロをマークしてみせた。
チーム4試合のうち、3度目の先発。一回に2点を先制されるなど、好調とは言いがたかった。「ボールが来ていない」と判断した迫田監督は、五回のマウンドに送り出す際、「この回が最後だ」と声をかけた。
これが辻内の闘志に火をつけた。変化球でかわす投球から、「ストレートで押していこう」と剛球一直線。150キロ台の8割近くは、この五回以降に集中する。
不運な適時内野安打などもあり、いったんは勝ち越された。しかし、迫田監督は「負ける胸騒ぎを感じなかった」と明かす。それも辻内の投球が、ベンチに一丸ムードを生んでいたからだ。「高校ナンバーワン左腕」の看板に偽りはなかった。【堤浩一郎】
▽決勝
韓国
2000000110=4
1000100021=5
日本
(延長十回)