○阪神10-0広島●
阪神が2試合連続2けた得点で圧勝した。赤星、鳥谷の連打と四球で無死満塁とした一回、金本の二塁打や今岡の適時打などで一挙に5点。その後も今岡の2ランなどで加点した。杉山は変化球で要所を締め、8勝目をプロ初完封で飾った。
◇杉山、プロ初完封
七回のマウンドに向かう杉山へ、久保投手コーチから声が飛ぶ。「あと三回。完封して来い」。これに対し杉山は「あの、僕、まだ完投したことないんですけど……」。「スマン。じゃあ完投して来い」と答えながら、久保コーチは考えた。「あいつ、これまで完投なかったっけ……」
プロ3年目で初めてローテ入りし、これで8勝目。抜群の安定感を示す杉山が、厚い信頼をつかみ取ったことを示すやり取りだ。
さほど状態は良くなかった。三回まで得点圏に走者を背負う苦しい立ち上がり。救いは、真っ直ぐの力が最後まで衰えなかったことか。新井、野村に長短打を浴びて1死一、三塁のピンチを背負った九回も、森笠と緒方を直球で外野フライに切って取る。「だれもが一生懸命やっているので、僕も乗せられている」と優勝争いに充実感を覚えている杉山が、初完投初完封。勝率1位マジックは「13」になった。【栗林創造】
◇100本塁打=プロ242人目 阪神の今岡誠内野手(31)が11日、広島戦の四回に広池から2ランを放ち達成。初本塁打は97年8月3日、巨人戦(甲子園)の八回に斎藤雅から。