19日に死去した中内功さんは南海を買収して88年にソフトバンクの前身、福岡ダイエーホークスを創設。01年までオーナーを務めた。積極的な補強と九州出身選手の獲得、ドーム球場建設などで実力、人気を兼ね備えたチーム作りを目指し、99年に初の日本一に輝くなど、パ・リーグを代表する強豪に育て上げた。(1面参照)【藪田尚之、百留康隆、錦織祐一】
中内さんは、西武で球団代表を務めた坂井保之氏(72)を90年、球団代表に招へい。西武の管理部長だった根本陸夫氏(故人)を監督に迎えるなど、強化の手本を西武と定めた。坂井氏は「1年目から優勝を目指し大型補強をしようとした。その意欲はオーナーには必要だった」と振り返る。
球団代表などとして仕えた瀬戸山隆三・ロッテ球団代表(52)は「プロ野球に多大な貢献をした人で、引き継いで頑張りたい」と冥福を祈った。
ソフトバンクの孫正義オーナー(48)は「常勝球団に作り上げた方で、いつかは一緒に観戦できればと思っていただけに、残念」とコメントした。
◇福岡ソフトバンクホークス・王貞治監督
治ると思っていただけに、こういう報告を聞くとは思わなかった。99年の初優勝の時に握手をした時の中内さんの目が、慈しみに満ちたものであったことを思い出します。オーナー時代にいい報告をできていれば、と残念です。
◇巨人・渡辺恒雄会長
南海ホークスを買い取り、福岡に移転し、パ・リーグナンバーワンの球団にまで育て上げた功労者だ。私もプロ野球改革のために何度も話し合った。球界にとっても寂しいことだ。ホークスが今年も優勝するのを見届けてほしかった。
◇巨人・長嶋茂雄終身名誉監督
九州にドーム球場をつくって初の日本一を果たすなど多大な功績を残した人でした。00年、王監督と対戦したダイエーとの日本シリーズは、私にとっても忘れ得ぬ思い出となりました。
◇ソフトバンク・松中
いつも言っておられた「ネアカ のびのび へこたれず」は、今でも自分の座右の銘。絶対に日本一を取り返すことで、恩返しをしたいと思う。
毎日新聞 2005年9月20日 東京朝刊