東京都の石原慎太郎知事は20日午後に開会する都議会で「再び日本でオリンピックを開くとすれば、都市のキャパシティー(受容力)や都市機能の充足度などから考えて、この東京をおいて他にはあり得ない」と、2016年以降の夏季五輪を都に招致することを正式に表明する。「五輪開催を起爆剤として日本を覆う閉塞(へいそく)感を打破する」として、10月から庁内に準備組織を新設する。
石原知事は8月5日の会見で五輪招致に初めて言及。今月16日には、日本体育協会会長の森喜朗前首相が石原知事を訪ね、協力して実現に努力することで一致した。会談後、森前首相は「都が立候補の意思を出していただけることは大変ありがたい」と語っている。
都議会では、最大会派の自民党が衆院選の地域公約で東京五輪招致を掲げており、来年2月開会の定例会で招致を求める決議をする方針。これを受けて、6月までに日本オリンピック委員会(JOC)に開催意思表明書を提出し、正式に名乗りを上げる。
16年以降の五輪については、福岡市が「九州五輪」構想を打ち出し、札幌市も招致の動きを見せている。【大槻英二】