NHKは6日、大みそかの紅白歌合戦で聴きたい歌を視聴者に投票してもらう「スキウタアンケート」の中間結果(9月30日現在)を発表した。1位はモーニング娘。の「LOVEマシーン」とSMAPの「世界に一つだけの花」。上位にポップスのヒット曲が並んだ結果に同局は困惑気味。「年代別での集計も考えている」と説明した。アンケートは今月31日まで。
中間結果は8月1日から9月30日までに寄せられた18万4923件、延べ39万6930票を集計したもの。ポップスのヒット曲が並んだのは、パソコンや携帯電話からの投票が11万9166件と6割以上を占め、ネット世代の若者の投票が多くなったためとみられる。曲目も同局があらかじめ提示した600曲をはるかに超える2207曲が挙げられるなど、多様化した好みが浮き彫りになった。
同局の茂手木秀樹芸能番組センター部長は「ネット社会になっていることを痛感した。一方で、そうでない暮らしをしている方にも向けて番組をつくっていかなければならない。曲も思った以上にばらついた」と結果が意外だったことを率直に認めた。
その上で「この結果の上位曲が即、紅白で歌われるわけではない」とあくまで演出の参考リストであることを強調。さらに「年代別の順位も集計する必要がある」とも。アンケート開始時に年代別集計の話は出ておらず、番組が偏った結果にならないための配慮を急きょ取るドタバタぶりとなった。
また、得票数は明らかになっていないが上位はほとんど差がない状態で、最終結果はかなり変わってくるとの見通しを示した。
かつての国民的番組も、昨年は過去最低視聴率の39・3%。番組の透明性を高めるために実施されたアンケートだが、実際、結果がどの程度、番組の構成に反映されるかは未定で、茂手木部長は「結果を演出に生かせるように最大限の努力はしたい」としている。最新ヒット曲が歌えない演出になる可能性もあり、歌手側との出演交渉にも大きな影響を及ぼしそうで、「新生NHK」の紅白は手探り状態だ。
▽スキウタアンケート 8月1日から受け付け開始。あらかじめNHKが600曲をリストアップ。そのほか自由記入も可能で、はがき、データ放送、インターネットなどを通じて1人3曲まで投票が可能。投票総数に占める年代ごとのシェアは20代19・6%、10代18・8%。70代はわずか4・8%。投票結果は11月下旬と大みそかの午後に番組で公表される予定。
≪会長「視聴率は昨年超えたい」≫橋本元一会長はこの日の定例会見で「視聴率は高ければ高い方がいい。昨年を超えたい」と低迷続きの紅白にカツ。アンケート結果には「若い人はジャンルが広い。私みたいな高齢者は演歌か童謡に収れんされるんですが」と感想を述べた。「紅白の観覧者を受信料支払い者だけに限定するのか?」という質問には「曲目の選定を広く(国民から)集めているということもありまして、今年の紅白は支払い者限定とは考えていない」と話した。