三菱とUFJの両信託銀行の合併で10月に発足した三菱UFJ信託銀行は7日、「総合職」「一般職」などの職種制度を大手行で初めて廃止する方針を明らかにした。全行員横並びでスタートする実力主義を徹底し、合併行にありがちな「たすきがけ人事」「派閥争い」を抑える狙いもある。
これまで旧三菱信託は「総合職」と「業務職」、UFJは「基幹職」と「特定職」に職種を分けて採用、仕事内容や昇進などを区別してきた。新制度でこれらの区別を廃止し、全社員に昇進の機会を平等に与える。
そのうえで、成果や能力に応じて3段階の「職群」制度を導入。新卒社員はすべて「アソシエイト職群」からスタートし、能力が認められれば「プロフェッショナル職群」に昇進。その中から部長や次長などの管理職が属する「マネジメント職群」が選抜される。
今後1年かけて、全社員約7500人を人事担当者が面接し、各社員がどの職群に入るかを決める。また、すべての仕事に数値目標を設定し、目標の未達成が続けば降格させるなど、実力主義を徹底させる。
金融機関の収益力向上が課題になる中、年功序列が主流だった銀行界にも成果主義を取り入れる動きが強まっているが、総合職の廃止や、点数評価で降格させることにまで踏み込むのは珍しい。【平地修】