財団法人「飛鳥会」元理事長の横領事件に長年にわたり関与したとして、金融庁から一部業務停止命令を受けた三菱東京UFJ銀行は15日、経営責任の明確化を図り、畔柳信雄頭取をはじめ関係役職員に報酬削減などの行内処分を下す方針を固めた。併せて再発防止策なども盛り込んだ業務改善計画を16日、同庁に提出する。
関与は合併前の旧UFJ銀行、その前身の旧三和銀行時代を通じ約30年にわたる。旧UFJ銀と旧東京三菱銀行が昨年1月の合併後も、この問題に対する適切な対応を取っていなかったことを金融庁が指摘。これを受け、三菱東京UFJ銀は経営陣の責任を明確化させるため、畔柳頭取をはじめ、法令順守などを担当する役員らを処分する。過去の経営者なども含め、関与の度合いに応じて報酬削減の割合や期間を決める見通し。
また、再発防止策として、暴力団など反社会的勢力に対応する警察など外部団体と連携を強化。担当部署が問題を放置しないよう、各部署が相互けん制するなど法令順守体制の強化を打ち出す。
金融庁は2月15日、旧三和銀行の淡路支店(兵庫県)で84年ごろから、行員を飛鳥会に常駐させるなどして不正取引を続けたとして、三菱東京UFJ銀に法人向け新規融資の1週間停止を命じた。飛鳥会の元理事長は、業務上横領罪に問われ、大阪地裁で有罪判決を受けた。【平地修】
毎日新聞 2007年3月16日 3時00分