【アナハイム高橋秀明】米大リーグ、プレーオフの地区シリーズ(5回戦制)は10日、当地でア・リーグの1試合があり、松井秀のいるヤンキース(東地区1位)が3-5でエンゼルス(西地区1位)に敗れ、優勝決定戦進出はならなかった。松井秀は5番・左翼で先発し、一回2死一、三塁で空振り三振に倒れるなど第3打席まで無安打。この試合でリーグ優勝決定シリーズ出場チームが出そろい、この試合の勝者は11日からホワイトソックス(中地区1位)と対戦する。
◇松井秀 最終戦に望み託し
最終戦にのぞみをつないだヤンキースは再び、西海岸のアナハイムへ、米大陸を横断した。A・ロドリゲスは「今ならハワイにだって飛んでいける」と、時差3時間の長旅を笑い飛ばした。
ヤンキースは一回、2死一、三塁で松井秀が打席に入った。第4戦では4打数無安打。「緩い球を打たされた。(相手投手が長打を)気をつけてる感じがした」。ところが、この日の先発、コローンは直球で内角を攻めてきた。松井はここぞとばかりに強振したが、空振り三振に倒れた。
ここまで2勝2敗のタイだが、内容的にはエンゼルスが圧倒している。ゴールデングラブ賞の捕手、B・モリーナを扇の要にすえた守備力、質量ともにメジャー屈指の救援陣、機動力と小技を織り交ぜた緻密(ちみつ)な野球。その壁を打ち破ろうと力めば力むほど、はぐらかされてしまう。
二回途中、コローンが右肩負傷のアクシデントで降板すると、ヤンキースは緊急登板したサンタナから2点を先取。ペースをつかんだかと思われたが、二回、B・モリーナのソロなどでエンゼルスに3点を奪われ、逆転されてしまう。三回も2点を追加され、なお1死一、二塁。ここは松井が三塁側観客席へのファウルフライをフェンス越しにジャンプしてつかみ取った。ヤンキースは直後にエースのジョンソンを投入し、後続を断った。
ホワイトソックスとのア・リーグ優勝決定戦が行われるシカゴへの切符を争う第5戦。一気に敗北へと転げ落ちそうになっていたチームを、松井の守備が踏みとどまらせた。【高橋秀明】