【ワシントン木村旬】米商務省が13日発表した8月の貿易収支(モノとサービスの取引の合計・季節調整済み速報値)によると、貿易赤字は前月比1・8%増の590億2900万ドルで2カ月ぶりに拡大し、過去3番目の高水準となった。原油高や安い中国製品の流入が要因で、対中赤字は過去最大を更新した。
中国は7月21日に人民元を切り上げたが、対中赤字が改善しない米国が改革圧力を一段と強めるのは必至の情勢。15日から北京近郊で開く主要20カ国財務相・中央銀行総裁会議(G20)などで大きな焦点となりそうだ。
8月は輸出額が前月比1・7%増の1081億7600万ドルと過去最大になったが、輸入額も同1・8%増の1672億500万ドルと過去最大を更新した。1~8月の累計の貿易赤字額は前年同期比16・9%増の4633億6600万ドルで、年間で過去最大の赤字額(6175億ドル)を記録した04年を上回る勢いだ。
国別(サービス除く通関ベース、季節調整前)では、対中赤字が前月比4・6%増の184億6800万ドルに達し、前月に続いて過去最大を更新。対日赤字は同0・6%減の65億9000万ドルだった。