トヨタ自動車は2005年10月5日、米GM社から富士重工業の発行済み株式の8.7%を取得することで基本合意したと発表した。米GM社と富士重工が、資本提携を解消することに伴うもの。
GM社は同社が保有する富士重工株(1億5700万株)すべてを売却する。このうち、トヨタ自動車は6800万株を354億円で購入し、残りの8900万株は株式市場に売り出す。同時に、富士重工は9000万株を上限に市場から自己株を取得する予定。
トヨタ自動車がGMが保有するすべての富士重工株を購入しなかったのは「独占禁止法を考慮してのこと。今回の購入では法的な問題はないと考えている」(トヨタ自動車副社長の木下光男氏)。
トヨタと富士重工は、今回の資本提携を機に、開発と生産で協業を進める。具体的な協業は現時点では未定だが、検討委員会を発足させて協議するという。
富士重工はGM社との提携に伴い、スウェーデンSaab社と共同開発を進めてきたクロスオーバー車のプロジェクトは中止する。
トヨタの木下副社長は「富士重工へのさらなる出資については今のところ考えていない。いすゞやスズキへの出資も現時点では考えていない。提携は数カ月前から3社で検討を進めてきた。当初は富士重とGMが話し合い、富士重からトヨタに打診があった」と経緯を説明した。
富士重工の竹中恭二社長は「トヨタ自動車と関係を持つことは当社の成長発展に大きく寄与する。水平対向エンジンやAWD機構の開発は今後も進める」と方向性を示した。 |