歌手の森山良子(57)が母校、成城学園高(東京・世田谷区)で初めて凱旋ライブを行う。来年がデビュー40年にあたり、音楽の道を歩むことになった「原点」のキャンパスで歌う。「初めてギターを持って歌った場所。青春の悩みと夢をいっぱい抱えていた当時を思い出しながら歌いたい。ドキドキ、ワクワクです」と話しており、気持ちは女子高生だ。
「さとうきび畑」「涙そうそう」などの自作曲で若い世代の支持も得た森山が、40年ぶりに母校のキャンパスで歌う。
卒業後初めてとなる凱旋ライブは来月14日、成城学園50周年記念講堂で開催。衛星放送WOWOWが企画した。森山は「面白い!って思いました。自分にとって記念になるし、何よりあの場所で歌えるなんて…」と感慨深げだ。キャンパスにはかつて「母の館」と呼ばれた講堂があり、ここで森山が生まれて初めてギターを持って人前で歌った。「高校時代の文化祭だった」
ジャズトランペッターの父親の影響でジャズシンガーを志していた少女を、フォークソングに目覚めさせたのは先輩。現映画プロデューサーの黒沢久雄氏だ。
「バンドをやっていたクロパンさんは、みんなのあこがれで。その先輩が声を掛けてくれて、ジョーン・バエズの“Donna Donna”を聴きなよってレコードを渡してきて。そこからフォークの道へ歩んでいったんだけど、その場所も母の館に隣接する校庭だった。だから、人生も変えた、青春のすべてが今回の会場には詰まっているんです」
凱旋ライブの構成などはまだ決まっていないが、デビューしてから現在までの流れが分かる「集大成的な内容にしたい」という。そして、必ずその中に1曲でも「人生の大きな出会いとなったバエズの作品は入れたい」とほほ笑む。「とてもフレンドリーで温かな学校でしたから、その雰囲気を生かしたステージにしたい。素敵な流れで40年を迎えられます」とうれしそうに明かした。
◆森山 良子(もりやま・りょうこ)本名相良良子。1948年(昭23)1月18日、東京都生まれ。高校時代、ジョーン・バエズの影響で歌い始め、67年「この広い野原いっぱい」でデビュー。69年「禁じられた恋」が大ヒット。結婚し一時活動を休止したが、72年に復帰。TBSドラマ「金曜日の妻たちへ」など女優、司会としても活躍。父はジャズトランペッターの森山久さん(故人)、長男は歌手の森山直太朗。ムッシュかまやつはいとこ。