世界貿易機関(WTO)新多角的貿易交渉(新ラウンド)の農業交渉で、7日にロンドンで開かれる主要国の閣僚会合に、日本が参加することが決まった。中川昭一農相と二階俊博経済産業相が出席し、日本など食料輸入国の主張を反映させることを目指す。
これまでの農業交渉は、米国、欧州連合(EU)、インド、ブラジル、豪州の5カ国・地域(G5)の主導で進められ、日本は主要な会合に参加できなかった。このため「日本は世界一の食料純輸入国。交渉で主要な地位を占めるべきだ」(中川農相)と参加を強く求めていた。中川農相らは8日にジュネーブで開かれる非公式閣僚会議にも出席する予定。
中川農相は4日の会見で、「日本の参加は権利であり義務。(食料輸入国でつくる)『G10』の代表として交渉に臨む」と述べた。G10は(1)関税率を一定水準以下にする「上限関税」に反対(2)市場開放で例外扱いされる「重要品目」の数は農産物全体の10~15%--などを提案している。
ただ、上限関税は多くの国が導入に賛成しており、重要品目数も各国の主張に開きが大きい。中川農相は毎日新聞などのインタビューで「客観情勢は楽観を許さない」「譲るところは譲る。守るべきものはギリギリ守る」と述べている。【位川一郎】