警察庁は7日から、ネット検索最大手「ヤフージャパン」の広告スペースに、指名手配容疑者の情報提供を求める広告文を掲載する。11月の指名手配容疑者捜査強化月間にあわせ、広告スペースの一部の無償提供を受ける。最長1カ月間の掲載を予定している。
掲載するのは(1)オウム真理教関係警察庁指定特別手配容疑者の平田信(40)、高橋克也(47)、菊地直子(33)の3容疑者(2)90年に札幌市内で起きた殺人事件で北海道警が手配中の長田良二容疑者(37)(3)04年に広島県警東署玄関に拳銃を発砲し、器物損壊容疑などで手配中の宮田紀之容疑者(29)--の5人。広告は各警察本部のページにリンクし、手配情報を確認することができる。
長田容疑者は、札幌信用金庫職員、生井宙恵(みちえ)さん(当時24歳)を殺害した容疑で指名手配されている。生井さんは90年12月19日、帰宅途中に行方不明となり、3日後に自宅近くで他殺体で見つかった。道警は高校の2年後輩の長田容疑者を指名手配したが行方がつかめぬまま、12月19日午前0時に公訴時効(15年)を迎える。
生井さんの母澄子さん(69)は今年9月、情報提供者に懸賞金200万円を支払うと発表した。父郁郎さんは02年に死去。「娘のためにやり残したことはないか」と考え、事件解決に最後の望みをかけての決断だった。
道警幹部は、今回の広告文掲載について「全国の不特定多数の人が閲覧するホームページの威力は大きい」と期待を寄せている。【河嶋浩司、内藤陽】