千葉銀行の取引先の法人が、送付された偽のCD-ROMをインストールしたために勝手に数百万円が不正送金された事件で、北陸銀行をかたって横浜市内の顧客に偽のCD-ROMが送付されていたことが警察庁の調べで分かった。両行のケースとも不正送金先の「口座」が同一であることが判明。同庁は何者かが複数の金融機関をかたってCD-ROMを送りつけているとみており、同庁のホームページで不審なCD-ROMを安易に使用しないよう注意情報の掲載を始めた。
不正送金先の口座はすでに凍結されており、被害は確認されていないという。新たに判明したのは、北陸銀行から送付されたように装ったCD-ROMで、横浜市内の顧客が不審に感じ警察に届け出た。
調べでは、CD-ROMをインストールすると不正なプログラムがパソコンに感染。オンラインバンキングのID、パスワードなどの重要な情報が漏えいし、これらの情報を悪用した何者かが不正な振り込み操作を行う仕組みとみられる。
同庁は、インターネット上などで他人のIDなどを不正に取得するスパイウエアの新手の一種とみている。
送付されたCD-ROMは、実在する金融機関名前を用いた偽の封筒入り。説明文書が添付されていたり企業名の印刷があるなど手が込んでいるという。
同庁は、金融機関がソフトを顧客に送付することはなく、不審なCD-ROMが送られてきた場合は金融機関に確認するように注意を呼びかけている。【河嶋浩司】