上方落語界のホープとして人気を集めてきた桂吉朝(かつら・きっちょう=本名上田浩久=うえだ・ひろひさ)さんが8日午後11時20分、心不全のため兵庫県尼崎市の病院で死去した。50歳。葬儀・告別式は行わず、後日お別れの会を開く。
1974年、桂米朝に入門。師匠譲りの端正な語り口を特徴としていた。「芝居ばなし」といわれ、九州から大阪までの珍道中を描いた「小倉船」などを得意とし、研究熱心で知られた。
88年にNHK落語新人コンクールで新人賞を獲得。その後、01年に上方お笑い大賞を、02年には芸術選奨の文部科学大臣新人賞を受賞した。日本アニメーションの元祖とされ明治時代に盛んだった「錦影絵」を復活させた落語を演じたり、台湾で落語を披露するなど活躍の場を広げていた。
99年11月に胃がんの手術を受け胃の3分の2を切除。昨年10月に再検査したところ胃がんの再発が発覚。仕事を休養して週1回、抗がん剤の投与で治療を続けていた。