米アップルコンピュータのデジタル携帯音楽プレーヤー「iPod」に対応したカーナビゲーション、カーオーディオが増えている。CDやカセットテープを大量に持ち込まなくても、いつも聞いている音楽を車内で簡単に聴けるのが特徴。iPod人気に乗ってカーナビ装着率を上げたい自動車メーカーと、iPod普及を加速したいアップルの思惑が一致した。
◇対応車種増加、普及拡大へ連携
対応機種は、1万5000~2万円程度する別売りの専用アダプターを使ってカーナビにiPodを接続、カーナビでiPodを操作し、音楽が聴ける。容量30ギガバイトのiPodなら7500曲もの楽曲を記録できる。
昨年6月、北米で独BMWとアップルがiPod対応のカーオーディオを共同開発したのが始まり。国内では今年夏以降、ダイハツ工業、マツダ、日産自動車が一部車種に搭載したカーナビをiPod対応にした。ダイハツが6月に販売したカーナビ3000台のうちiPod対応は5%程度だが、軽自動車は30万円前後の高価格が障害になってカーナビ装着率が低いだけに「iPod対応をPRしてカーナビの普及につなげたい」(ダイハツ)と期待を寄せる。
アップルも、「携帯型の音楽ライブラリーという新たな使い方が提案できる」として、若者層が中心のiPodの購入者の幅を広げるチャンス。04年のカーナビ市場は前年比20%伸びており、ソニーや松下電器産業などライバルを引き離す大きな武器になりそうだ。【谷口崇子、工藤昭久】