大みそかの「第56回NHK紅白歌合戦」の紅組司会者に、女優の仲間由紀恵(26)が内定したことが16日分かった。仲間は来年の大河ドラマ「功名が辻」に主演する、同局の顔。タレントが司会を務めるのは、00年の和泉元彌(31)以来5年ぶり。昨年過去最低の視聴率39・3%にまで落ち込んだ国民的番組。大河のストーリーそのままの、仲間の“内助の功”となるか注目される。
来年のNHKの顔となる仲間が、紅白復権の大役も担うことになった。
同局関係者によると、今年の紅白は「戦後60周年」の節目の開催であることに加え、初めて「聴きたい曲」を視聴者に投票してもらう「スキウタアンケート」を実施。これまでの出場歌手の顔ぶれに最も重点を置いてきた番組作りから脱却し、“歌ありき”で制作する初めての挑戦となる。
そこで最も重要となったのが「歌唱曲が生まれた背景などを分かりやすく紹介する能力がある司会者」(関係者)だった。昨年、審査員の1人が放送中「今までの曲、1曲も知らない」と言い放ったことも今年の課題になった。
「アナウンス技術以上に、分かりやすいプレゼンテーションができる人」(関係者)。これを最重要ポイントにリストアップし、白羽の矢を立てたのが仲間だ。
日本テレビ「ごくせん」などヒットドラマに加え、来年の大河ドラマではヒロインを演じ、今月はじめには「美しい元気人」の1位に選ばれるなどいまや幅広い年齢層から愛されている国民的女優。そして、01年に「歌謡チャリティーコンサート」、03年に「思い出のメロディー」でNHKの司会を務めた経験もあり、高い評価を得ていたことが大きかった。タレントによる紅組司会は97年の和田アキ子以来8年ぶり。白組司会は、局アナを含めて検討中だ。
出場歌手が持ち歌以外の楽曲を歌うなど例年以上に司会作業が複雑化しそうな中、手際のよい進行が求められ、史上最低に落ち込んだ視聴率からの復権を任せられた仲間。大河ドラマでは、内助の功の代名詞にもなった「山内一豊の妻」を演じるが、来年の“NHKの顔”として看板番組を救うことができるか。関係者の期待は大きい。
◆仲間 由紀恵(なかま・ゆきえ)1979年(昭54)10月30日、沖縄県浦添市出身。96年に小室哲哉プロデュースで歌手デビュー。その後、女優に転身し映画「リング0」で注目を集める。00年ドラマ「TRICK」(テレ朝)に主演しブレーク。代表作「ごくせん」(日テレ)は今年放送の第2シリーズの最終回が平均視聴率32・5%を獲得。ほかの出演作にミュージカル「スター誕生」など。