皇居での不審物チェックなどにあたる警察犬のための犬舎が25日、皇宮警察内に完成した。皇居内に警察犬の常駐施設はなく、必要な時には警視庁の警察犬を借りるなどして不審物の検索を行っていたが、これで24時間態勢の警備が可能になった。初めて配備された2頭の訓練の様子とともに報道陣に公開された。
配備されたのは、1歳と2歳のオスのシェパード。皇室関連施設への警察犬導入は、72年の須崎御用邸(静岡県)が初めて。警察犬導入をめぐっては、皇居内に行事用などの馬が約50頭飼育されていることから「犬がほえると馬が暴れ出す」などと宮内庁側が反対し、論争が起きていた。皇宮警察側は獣医や馬術関係者に照会、牛馬と一緒に番犬を飼う農場もあるなど、犬馬が共存することを確認したうえで同庁に了解を求め、導入が決まった。【遠山和彦】