陸上の第23回全日本大学女子駅伝対校選手権は27日、仙台市・宮城陸上競技場から仙台市役所前に至る6区間39.0キロで26チームが参加して行われ、名城大が2時間8分54秒で初優勝した。3連覇を狙った立命大は41秒差の2位。城西国際大が過去最高の3位に入った。
大会は昨年までの大阪から、仙台に舞台を移して行われた。名城大は1区で15位と出遅れたが、2区・田中真知(4年、三重・神戸)らの連続区間賞で追い上げ、今夏のユニバーシアード一万メートルを制した佐藤絵理(1年、長岡大手)が最長の4区で、3位から首位に浮上して独走態勢を築いた。
○…立命大は終盤に追い上げたが及ばず、3連覇を逃した。「アンカー勝負に持ち込みたかったが、4区で差が開きすぎた」と井元監督。2連覇の立役者だった池田を故障で欠きながら2位に入り意地を見せたが、穴を埋め切れなかったのも事実。「今日は実力の差。一からやり直します」
◇苦杯続きから、ようやく栄冠つかむ
躍るようにフィニッシュした佐藤麻を、名城大のチームメートが大歓声で迎えた。しかし全員の笑顔はまもなく涙顔に。「ついに、やっと。長かった」と米田監督。最近3年間は2位、3位、2位。苦杯続きの悔しさが、ようやく晴れた初優勝だった。
1区の中尾がトップから35秒遅れの15位。しかし「前へ前へという気持ちで」(2区・田中)と果敢に追い上げ、先頭の立命大に19秒差の3位で4区へつないだ。標高差50メートルを上る難関ながら、佐藤絵は軽やかなリズムに乗り2キロ過ぎで首位に。「力まず余裕を持ちながらも、もう少し行けるかなと思って」とその後も攻めの走り。立命大に1分18秒の大差をつけて主導権を握った。
昨年までは田中、中尾の2本柱に頼った。米田監督は「全員の力を高めて、6人ともエースと言えるチームに」と意識を変え、選手も日常生活でから自己管理を徹底した。中尾は左太ももの疲労骨折からの復帰したばかりで、出遅れは覚悟の上。その分を後続の5人が埋めて余りある快勝に、1年間の成果が表れた。
5000メートルの15分台が3人という選手層は、実業団ならまだ中位クラス。「大学日本一はうれしいが、彼女たちにはさらに日本のトップを目指してほしい」と米田監督。その言葉を選手たちは深くうなずいて聞いていた。【石井朗生】
毎日新聞 2005年11月27日 17時06分 (最終更新時間 11月27日 18時28分)