◇記者会見の詳しいやりとり<3>
--殿下にお尋ねします。殿下は「不惑」の年を迎えられました。これまでの年月を振り返り、ご自身にとって思い出深い出来事や出会いについてお聞かせください。
秋篠宮さま まあ早いですね。今平均年齢は80歳ぐらいですので半分ぐらい。不惑というよりまだ惑なのかと思ってるんですけども。40年を振り返りますとですね。いろいろ数えていったらきりがないいろいろなことがあると思いますが、自分としては結婚して子どもが生まれて家族をもってと。これは自分として意義深いことでありますし、また、国の内外、いろんなところを訪れて、その地域の自然や文化を知ることができたということも思い出深いと思っています。また、昭和から平成へ移って、その即位の礼が行われましたけど、その時に私もそうですし家内もその立ち会う、その場にいたということ、これも大変強く印象に残っております。国の内外を訪れたことを先ほど話しましたけれども、この間にいろいろな王族の方とお会いする機会があり、それぞれまあお国においてみなさまが王族としてどういう仕事をされているかとかそういうことを実際にお話を聞いたり、拝見したりすることもあったわけですけれども、そういう機会を比較的多くもてたのは私にとって意義深かったのでないかと思います。
もうひとつ出会いというお話もありましたけども、思い出深いできごととその出会いが重なることが多いと思います。出会いということでいうならば、いろいろな地域で今まで見たことのないような風景に出会ったというのはとても印象に残ることでした。例えばモンゴルにいますとずっと、地平線がつながっているわけですけれども、日本にいるとそういう風景ってみることがない。いままでの自分の頭の中の概念にある風景とぜんぜん違ったものに出会ったというのは大変強く印象に残っています。以上です。
--皇室典範の関係で実際のところ、眞子さま、佳子さまにはどのような形で自分の立場を自覚するということをお話になりましたか。
秋篠宮さま 今の自分の立場の自覚というのはこれはまず最初に言いますと、皇室典範とは全く関係なくお話ししたことですけれどもまだ、小さい、年少ですので、やはり一人の子どもではありますけれども、その周りを多くの人たちがその生活にかかわっているわけですね。
そういう人たちへの例えば簡単な言葉でいうと感謝の気持を持っていてほしいと思うし、いろいろな意味で負担をかけないように配慮する、そういうことは大事なことだと思います。そういう意味で自分の立場をきちんと認識してほしいとそういうことでお話をしました。
--1問目の関連で、黒田ご夫妻は殿下の方で、お会いになりましたが、二人は初めからうまくいって結婚すればいいなと思って、アレンジされたのですか。
秋篠宮さま それはわからないです。最初から、ただ、私にとって非常に大切な友人でしたし、信頼できる人で、人柄もいいですし、やはりそういうことから紹介をしたというあれで、じゃそれがその後、今回のようになるかどうかというのはその時点では、全く私としてはわからずに。(紀子さまに向かって)そうだよね、二人の間のことですからそれは何ともわかりません。
--先ほどの質問で殿下の胸のうちを吐露していただきましたが、大いに照れながら、そのことをお話になったといわれましたが、具体的にどういった言葉で黒田さんはどういった感じでお答えになったのでしょうか。
秋篠宮さま 2年以上も前の話なので、具体的にはちょっと覚えていないです。なかなかね、こういうことを話すというのは、話の持って行き方は難しいですしね。
照れながらと、どうだったんでしょう。私もね、今になってあれですけど。それで会うきっかけができましたからね、よかったんじゃないでしょうか。なかなかちょっと2年前のことなので、具体的なあれは私も思い出すことは難しいと思います。
毎日新聞 2005年11月30日 5時46分