ロック歌手の矢沢永吉(56)が報道ドキュメント番組「NHKスペシャル」で特集されることが決まった。来年2月中旬放送予定で、歌手が取り上げられるのは亡くなった後の美空ひばりさん、ジョン・レノンさん以来で、現役では初。ファンたちの生活に密着取材し“永ちゃん”の生きざまに何を求めているのかを探る。
伝説のバンド「キャロル」解散からソロデビューして30年。どんな苦境にも貫いてきた“ツッパリ”の人生を、NHKの看板ドキュメント「Nスペ」が特集する。
仮題は「矢沢永吉とそのファン 30年の軌跡」(2月中旬、午後9時から放送予定)。そのタイトル通り「ファンにとって矢沢永吉とはどんな存在なのか、その姿に何を求めているのか」がテーマ。メモリアルイヤーの今年に展開しているライブハウスツアーの模様や本人へのインタビューも交えながら、何よりファンの視点で“YAZAWA”を探っていく。
取材するのは、直木賞作家の重松清さん(42)。矢沢の自伝「成りあがり」を高校時代に何百回も読み返し、重要な言葉には線を引き、本がボロボロになってしまったほどのフリーク。10人ほどのファンたちの、それぞれの生活に密着取材し、人生の中でどのように“永ちゃん”とかかわり、つながっているのかを追う。
番組の野上純一チーフ・プロデューサーは取材で「今年も永ちゃんに会える」と頑張って仕事をしている人、逆に「今年のオレはダメだったから永ちゃんに顔向けできない」とライブに行かないファンの声を聞いた。
「驚きましたね。聴き手がその歌に癒やされるということはあっても、その人生まで左右しちゃう歌手はなかなかいない。なぜ唯一無比の存在であり続けているのか、その訳を映し出すことで、ファン以外の方にも、人生つらいけど頑張って生きようというメッセージを届けたい」
現役歌手が取り上げられる初の特集。文字通り“生きる伝説”の秘密が解き明かされる。
スポーツニッポン 2005年11月30日