日本は数学の博士号取得者が少なく、国立大学の数学科の教員数も減っていることが、文部科学省科学技術政策研究所の調査で17日わかった。
日本は数学研究の最高権威であるフィールズ賞を3人が受賞するなどトップレベルの研究を誇ってきたが、研究者を取り巻く環境は悪化している。
日本と米国、フランスを比較。日本の1年間での数学博士号取得者は180人(国内の博士号取得者全体の1・2%)で、980人(同2・2%)の米、350人(同3・3%)の仏と比べて、人数、割合とも少なかった。
数学博士の就職率は45%で、56%の米、60%の仏に比べ、産業界での活躍の場が少ないと推定された。
16の国立大学数学科の常勤教員数を調べたところ、2006年は計280人と1990年代に比べ30人以上減っていた。
一方、数学研究論文数の国別割合では日本は03年現在、米、仏、独、中国、英に次いで6位。
過去20年間、全論文数の5%前後を占め続けているが、00年に中国に抜かれて5位から6位に後退したまま。一方、仏は80年代は7%前後だったが最近は12%台と躍進。中国も90年代前半の3%台から8%台まで伸びた。
(2006年5月17日21時0分 読売新聞)