北海道長万部町の定例町議会が13日午前に開会し、偽計入札妨害容疑で函館中央署に逮捕された町長、加藤大明容疑者(66)が同日付で退職することに同意した。町長職務代理者の広沢範夫助役は行政報告の冒頭、「異常な事態となり、議会、町民の皆さまに深くおわび申し上げます」と陳謝した。町選管は16日に委員会を開き、出直し町長選の日程を決める。
広沢助役は行政報告の中で「行政への町民の信用を失墜させる許されない行為だ。入札の透明性を高め、二度と過ちを繰り返さないよう庁内合意を早急につくり、職員相互の日常のチェック体制を構築、信頼回復に職員が一丸となって努力したい」と述べた。また、今回の事件で捜査員による職員の任意の事情聴取が5日から13日まで連続して行われ、計14人が聴取されたことを明らかにした。
加藤容疑者は渡島支庁長から99年に初当選し、2期目の途中。来年12月11日の任期満了日まで18カ月を残しての辞職で、公選法の規定により、7月下旬までに町長選が行われる。選挙費用は約800万円に上る見込み。町議会の白井捷一議長は取材に対し、「今回の事件は対外的にも恥ずかしい。町長選を巡り、これまで政争が続いてきた。個人的な見解だが(町長候補は)町内で一本化することが望ましい」と語った。
【安味伸一】
毎日新聞 2006年6月13日 14時15分