日銀が15日発表した1~3月期の資金循環(速報)によると、3月末の家計(個人)の金融資産の残高は前年同期比5.8%増の1506兆2624億円と3年連続で増加し、年度末としては初めて1500兆円台を突破した。景気回復に伴い所得が増えたほか、株価の上昇が押し上げた。個人金融資産の残高の伸び幅は、99年度の6.0%以来の水準。年末のボーナス時期で、四半期としては初めて1500兆円を突破した05年12月末の1510兆2654億円よりは減少した。
内訳では、現・預金が同0.6%減の770兆9906億円で、全体に占める割合も51.2%と3・3ポイント減少した。国債などは同26.0%増の26兆9360億円と統計開始の79年度以来過去最高。投資信託も同44.8%増の54兆9710億円だった。現・預金が減少する一方で、株式や投資信託などの保有率が高まり、「貯蓄から投資へ」の流れが続いている。
一方、企業の負債残高は同2.0%増の841兆1074億円となり、10年ぶりに増加に転じた。企業が景気回復を受け、負債圧縮から設備投資に態度を転じたとみられる。【野原大輔】
毎日新聞 2006年6月15日 11時16分 (最終更新時間 6月15日 11時29分)