【台北・庄司哲也】台北市内の高速交通システム(地下鉄)駅で、ホームから転落した女性を日本人男性が軌道上に降りて救出していたことがわかった。一つ間違えれば進入してくる電車にひかれていた可能性もあり、間一髪の出来事だった。女性の父親は「直接会ってお礼が言いたい」とこの日本人男性を探している。
18日付の台湾紙「蘋果日報」によると、台北市内の高速交通システム「忠孝敦化」駅で16日午後11時ごろ、会社員の女性(30)が貧血によるめまいのため、ホームから軌道上に転落した。友人の女性と電車を待っていた若い日本人男性が、これを見て軌道上に飛び降り、意識がもうろうとしていた女性を抱きかかえてホームに引き上げた。女性は転落した際に顔や手などに軽傷を負っただけで無事だった。
ちょうど電車が到着するところで、モニターで監視していた駅長が緊急停止ボタンを押したため、電車は女性が転落した場所の約80メートル手前で急停車した。5秒遅ければ電車はホーム内に進入していたという。
日本人男性の名前などは明らかにされていないが、同紙は「勇気ある日本人男性、軌道に落ちた女性救う」と報じ、男性の行為をたたえている。
毎日新聞 2006年6月19日 10時55分