日銀の福井俊彦総裁が村上ファンドに1000万円を投資していた問題で、衆院財務金融委員会は27日午前11時から理事懇談会を開催した。福井総裁から投資信託などの金融資産、給与や年金所得に関する資料の提出を受けた。
福井総裁はこれまで、村上ファンドへの投資(昨年末残高2231万円、それ以外に01年に分配金242万円)と、5銘柄の株式(時価総額約3400万円)の保有を公表した。同委の参考人質疑で、福井総裁の納税額などから、給与所得以外に収入源があるのではないかとの指摘があり、その他の金融資産や所得の内訳も公表するよう要請を受けていた。
福井総裁は「大きな利回りが上がるような特別な投資はしていない。所得の大部分は給与や年金」と説明していた。今回、給与や年金額のほか、預貯金や投資信託など事実上の資産公開に応じ、理解を求める姿勢。政府は福井総裁を擁護する姿勢を変えていないものの、与党の一部と野党から辞任論が高まっており、日銀総裁の資産運用をめぐる疑念を払しょくできるかどうかが焦点となりそうだ。【平地修】
毎日新聞 2006年6月27日 11時29分