【ソウル堀山明子】日本人拉致被害者、横田めぐみさんの夫とみられる韓国人拉致被害者の金英男(キムヨンナム)さん(44)の母崔桂月(チェゲウォル)さん(78)と姉金英子(キムヨンジャ)さん(48)は28日朝、北朝鮮・金剛山で開かれる南北離散家族再会事業に参加するため、江原道束草市の宿舎を出発した。同日昼すぎに金剛山入りし、夕方に28年ぶりの再会が実現する。
出発前、崔さんは報道陣に「言葉にできないほどうれしい。1日でもいいから一緒に寝たい」と期待をふくらませた。崔さんは緊張と疲労のため27日に体調を崩し、点滴治療を受けた。しかし、28日は民族衣装のチマ・チョゴリを着て、明るい表情でバスに乗り込んだ。
面会には、めぐみさんの娘、キム・ヘギョンさん(18)も参加する。金英男さんが再婚した妻とその息子も同席する予定だ。再会事業は2泊3日で行われ、30日午前まで計6回、面会する。
金英男さんは、高校1年生(当時16歳)だった78年8月、韓国西海岸の海水浴場で拉致された。日本政府が今年4月、めぐみさんの夫である可能性が極めて高いとするDNA鑑定結果を発表、韓国政府も5月に確認した。
毎日新聞 2006年6月28日 11時01分