洋画家、和田義彦氏(66)による盗作疑惑で、イタリア人画家アルベルト・スギ氏(77)は29日までの共同通信の取材に対し「和田氏の作品と自作を照合した結果、盗作された絵は72点に上った」と語った。
スギ氏は疑惑が発覚した後、和田氏の図録などを独自に入手して比較する作業を続けており「照合できた彼の絵は限られているので、(盗作された作品の数は)もっと増えると思うが、もう十分だ。この騒ぎで何週間も全く仕事ができなかった」と話している。これで自力での調査は終えるという。
一方、和田氏はスギ氏とは違う技法で描いていることや質感が異なることを理由に「断じて盗作ではない」と、一貫して疑惑を否定している。
和田氏への芸術選奨文部科学大臣賞授賞を取り消した文化庁が「盗作と認めざるを得ない」と結論づけた和田作品は23点だった。(ローマ共同)
毎日新聞 2006年6月29日 19時20分