経営統合を目指す阪急ホールディングス(HD)と阪神電気鉄道は29日、それぞれ株主総会を開き、統合議案を審議、承認を得た。両社は、10月1日付で残りの阪神株1株に対して阪急株1.4株を割り当てる株式交換を行い、新しい持ち株会社、阪急阪神HDを発足する。売り上げ規模で大手私鉄16社のうち3位の企業グループが誕生。「村上ファンド」による阪神株大量取得は、戦後初となる大手私鉄同士の再編につながった。
阪急は大阪市北区の梅田芸術劇場で開き、昨年を2割上回る約3400人が出席した。阪神株の公開買い付け(TOB)で設定した1株930円などに対して批判的な意見が相次いだ。角和夫社長は「収益力の高い阪急と財務の良い阪神が一緒になれば非常にいい会社になる」と強調した。
阪神は、兵庫県尼崎市の同市総合文化センターで、最後の総会を開催。昨年をやや上回る807人が出席した。この日退任した西川恭爾社長は「ライバルとして競い合ってきた阪急との統合に違和感を覚える人もいると思うが、少子高齢化が進む中で、安定的経営を進めるには必要と判断した」と述べた。ある株主は「村上ファンドから逃れるためだけの統合ではないか」と批判した。【井出晋平、脇田顕辞】
毎日新聞 2006年6月29日 20時23分