○巨人11-4日本ハム●
巨人が集中打で逆転勝ちし、連敗を5で止めた。七回、原の左越え二塁打を皮切りに小関の中前打、亀井の右越え二塁打など7連打を含む9安打で9点を奪って試合をひっくり返した。日本ハムは投手陣が踏ん張れなかった。
▽巨人・原監督 高橋尚の投球はよかった。チーム状態をわかっていて、前半から飛ばしていた。
▽日本ハム・ヒルマン監督 リーは六回まで素晴らしかった。しかし、七回は先頭打者に四球を与え、集中力を欠いていた。
◇苦手の左腕からもぎ取った勝利…巨人
連敗をようやく止めた巨人。七回に7連打を含む9安打、9得点と見事な集中攻撃を見せて相手投手陣を粉砕した。試合後、原監督は「本当に左腕を攻略したといえるかわからない」と話したが、苦手の左腕からもぎ取った勝利の味は格別だっただろう。「ファーストストライクから積極的に打つ」。シンプルな考え方が集中打につながった。
最も象徴的だったのが2点差に追い上げた直後の七回1死一、三塁で巡ってきた原の打席だ。原は、原監督から左腕対策として指名打者に抜てきされた打者。好機で重圧を感じてもおかしくない。しかし、ファーストストライクからバットを出していく。そのかいあってトーマスから左越え二塁打を放って1点差に詰め寄り、右腕の武田久を引きずり出した。
原はこう振り返る。「前の打席で結果が出ていなかったので、思いっきりバットを振ることだけ考えた」。ヒルマン監督は巨人打線が左腕に弱いのを知っていて先発にリー、2番手にトーマスを起用。疲れが出ていたリーをとらえられたのは仕方がないが、トーマスまで捕まったのは誤算だっただろう。武田久がマウンドに登ると、原監督は豊富な左打者の代打陣を送り、猛攻をかけた。
連敗中、ベンチは重苦しかったという。原監督も頭の痛い日々が続いていただろうが、「負けた方がチームも、個人も素直に反省できる。それを糧にしないと」。それが、阪神追撃に向けて試される。【田中義郎】
○…日本ハムの新庄が6試合ぶりの8号2ランを放った。六回1死二塁で、カウント0-2から高橋尚の内角低めのスライダーをすくい上げ、打球は左翼席中段まで届いた。昨年の巨人との交流戦では打率3割8分5厘、2本塁打、5打点と打ちまくり、今季もこの日の一発が同カード2本目の本塁打。好相性の巨人投手陣に対し自信を持って打席に立っているようだ。
毎日新聞 2006年5月31日 21時50分 (最終更新時間 5月31日 22時56分)