映画「ウォーターズ」に出演し、注目を集めた女優、成海璃子さん(13)が天才美少女ピアニストを演じる映画「神童」(萩生田宏治監督)の製作発表が29日、東京都内であり、成海さんと共演の松山ケンイチさん(21)、貫谷地しほりさん(20)らが出席した。
原作は、漫画アクション(双葉社)連載の漫画(さそうあきらさん作)で、99年に手塚治虫文化賞優秀賞と文化庁メディア芸術祭優秀賞を受賞している。物語は、名門音楽大を目指して浪人中の菊名和音(通称ワオ、松山さん)が、男まさりの野球大好き少女、成瀬うた(成海さん)と出会う。うたは、ドビュッシーを弾きこなすピアニストで、「神童」ともてはやされるが、その才能を持て余していた。ワオは、はねっかえりだけど、かわいくて憎めないうたが気になりだしていく……という音楽を通した心の交流を描いたヒューマン・ストーリー。
5歳からピアノを習っていたという成海さんだが、「ピアノは難しかった。うたは神童なので、嫌いになるくらいピアノを練習しなくちゃと思った。天才に見える弾き方、体が曲に乗ってどう動くのかを先生に教えてもらった」と話した。松山さんは「原作を読んだ時、本当にこんな子いるのかな、と思ったけど、成海さんに会ったらうたそのもので、びっくりした。見た目は大人っぽいけれど、話をすると子どもっぽく、男まさりで。けられたこともありました」というエピソードを披露。エキストラとして出演もした原作者のさそうさんは「現場はいい雰囲気。監督には映画的な表現で、漫画とはまったく異なる作品にしてほしいとお願いしている。きっといい作品になると思う」と期待していた。
映画は07年春にロードショー公開予定。【細田尚子】