日本テレビの人気アニメ「NANA」(水曜後11・25)が世界進出する。欧米など海外21カ国での放送が決まったもの。少女漫画を原作としたアニメでは異例の快挙で、各国で年内にスタートする。一方で主題歌を歌う土屋アンナ(22)が、パリで現地時間8日にライブを行うことも決定。アニメとともに歌も海外で注目を集めている。
原作、映画、音楽、テレビのすべてでヒットを記録し、社会現象になっている「NANA」。その人気は海外へも飛び火し、テレビアニメの世界放送が決まった。
放映権とそれに伴うDVD販売権のオファーがあったのは、計21カ国。ドイツ、フランス、イタリア、イギリス、スペインの欧州各国をはじめ、アメリカ、ブラジル、アルゼンチン、メキシコ、オーストラリア、韓国など、まるでサッカーW杯のような顔ぶれ。既に10数カ国と正式契約が成立し、トータルで数億円規模の売り上げになる見込みだ。
これは少女漫画を原作としたアニメでは空前の規模。SEXなどティーンエージャーの現実を赤裸々に描いた作品力は海外でも高く評価され、物語に登場するバーで東京・調布に実在する「ジャクソンホール」には、海外から熱烈なファンが毎日のように訪れている。
日本テレビの番組担当者が最も驚いているのは「放送開始からわずか1カ月で買い付けがあった」という点。ドイツの映像制作会社では「何より作品そのもののクオリティーが高い。他社との争奪戦に負けるわけにはいかなかったのでスピーディーに交渉を進めた」と話している。
いち早くDVDを発売するのはフランス。7日からパリで開催される「ジャパン・エクスポ」に合わせて発売し、8日には同会場で、主題歌を歌う土屋アンナが単独ライブを行う。土屋は出演映画「kamikaze girl」(邦題・下妻物語)がフランス国内計200館で公開中とあって、注目の的。英語で歌い直した主題歌が各国で使われる予定で、音楽の世界的ヒットも期待されている。
≪世界で「NANA」旋風≫既に海外進出しているのが原作コミック。米VIZ、仏デルクール、独エグモントなどの出版社から発売され、各国で売り上げを伸ばしている。米国では月刊誌「SHOJO BEAT」でも連載中だ。日本ではコミック計15巻で3450万部を突破。アニメ主題歌は3日発表のオリコン最新チャートに、土屋の「rose」が6位、OLIVIAが歌うエンディング曲「a little pain」が8位で初登場。2曲同時にベスト10入りを果たした。
スポーツニッポン